case study _014
2023年10月~2024年4月
DIANA × MERY × MERYインフルエンサーによるコラボ商品開発
施策概要
実施期間: 2023年10月~2024年4月(7ヵ月間)
参加者: MERYキャスティングインフルエンサー 3名
課題:
コアターゲットである"25歳から34歳"よりも若い「Z世代」に向けた認知拡大と購買促進のための商品開発
内容:
DIANA×MERY×インフルエンサーのトリプルコラボで2024年SSの新商品開発を実施。キャスティング、商品開発ミーティング、開発過程のSNS発信などを一貫してMERYでディレクション。デザイン、素材、カラーバリエーションなどリアルなZ世代のインサイトを開発に活かした商品開発とSNSを活用したプロモーションを行った。
MERYメンバーの紹介
奥松 彩夏 | Ayaka Okumatsu
デジタル広告代理店のアカウントプランナー、美容メディアの編集者を経て、MERY編集部にjoin。編集長としてMERYのSNS全体のコンテンツ制作をディレクション。Z世代に関する講演などもおこなっている。
木綿 裕美 | Yumi Kiwata
コミュニティ・キャスティンググループ リーダー
デジタル総合広告会社のプロデューサー、女性メディアの編集者を経てMERYにjoin。MERYのさまざまな記事やタイアップ企画、プロジェクトを担当したのち、現在はMERYコミュニティリーダーとして従事。
ゆいな | Yuina
インターンとして記事作成&SNS運用などの業務でMERYにjoinし、新卒で社員として入社。ECやコスメブランド運用などの部署を経て現在はMERY編集部でSNSを中心とした動画コンテンツ作成を担当している。
小島 祐季 | Yuki Kojima
コミュニティキャスティンググループ
小売店舗での販売員として勤務する中で、MERY主催のイベントへの参加をきっかけにMERYへjoin。現在はコミュニケーション力を活かした関係構築やインフルエンサーを中心としたキャスティング業務を担う。
1953年創業のダイアナ株式会社。「美足文化の創造」をコンセプトに、パンプスやハンドバッグの商品企画・製造から販売までを行っています。2024年春夏期にMERYインフルエンサーとコラボした商品「#ダイアナ(ハッシュタグダイアナ)」を開発・販売。MERYがインフルエンサーキャスティングからSNS発信までディレクションしました。
雑誌コラボやインスタライブなどを精力的に行ってきているダイアナが、なぜ今、インフルエンサーコラボを実施したのか、ご担当の小茂田様、鈴木様と対談いたしました。
ダイアナ株式会社
プロモーション企画部 部長 小茂田 啓介 様
プロモーション企画部 ウェブプロモーション担当 主任 鈴木 歩美 様
コラボ新商品開発実施の背景
Z世代の憧れのブランドになりたい!しかし、認知に課題が
- ――当時、ダイアナ様が抱えられていた課題感と、そこでMERYを選定した理由をお聞かせください。
- ダイアナ/鈴木様:社内のどの部署でも「Z世代」という言葉が飛び交うほど、Z世代にリーチしたいという課題感がありました。というのは、弊社のメインターゲットは25歳から34歳程度なのですが、その層が年齢を重ねると、結局、ターゲット層も上に行ってしまう。常にターゲット層を保つには、その下の若い層に認知していただかなくてはならないという意識がありました。そこで、Z世代プロモーションに強いイメージがあったMERYさんにご協力を依頼しました。
- ダイアナ/小茂田様:ブランド自体が若くなっていきたいのではなくて、あくまで25歳から34歳がコアターゲットで、さらに上の世代までがターゲットであるということは変わりません。と同時に、新しく、ダイアナのファンになっていただきたい20代前半の方へ“憧れのブランド”として認知していただく事を常に意識しています。 弊社では、自社SNS発信ほか、様々なプロモーションを行っておりますが、まだまだ我々を認知してほしいお客様に届いていないと感じ、今回新しいチャレンジとして、Z世代の”生の声”を商品化し、プロモーションするという企画を実施しました。
コラボ新商品開発の取り組みについて
「固定概念が覆された」前例がない黒なしのカラーラインナップ
- ――MERYでは編集長の奥松がディレクションの統括を行いました。頂いた課題を踏まえて新商品開発コラボの提案に至った経緯と、施策の中で特に重要視していたポイント、特にインフルエンサーさんやMERYのエッセンスをどう加えたのかを教えてください。
- MERY/奥松:ダイアナ様のシューズは履いたことはないけれど憧れのブランドというイメージがありました。Z世代からすると、「お母さんが履いている」ようなちょっと背伸びをした印象ですね。少しコンサバめで、普段はこの靴に合うようなきれい目な洋服を着ないなと思ってしまうような。そういう印象をいい意味で変えたかったんですよね。「お母さんも履けるし、私たちにもぴったりだ」って自分事化してほしかったんです。ですから、普段からファッションの投稿が人気であったり、トレンドを押さえたセンスがフォロワーの方から支持されている方にフォーカスして、インフルエンサーさんを選定しました。 商品作りで一番こだわったのは、我々がよくやりがちな「Z世代は多分これが好きだろう」っていう押し付けで考えてしまうことをやめること。これをやったら絶対にZ世代に刺さらないんですね。本当にリアルなZ世代の声を入れることを一番大事にしようと、企画全体を進行させていただきました。 また、今回はトリプルコラボということで、インフルエンサーさんの声と併せてMERY編集部としても企画に参加しています。その中で大切にしていたことは、インフルエンサーさんはそれぞれのセンスを活かしたアイディアを。MERY編集部はZ世代の平均的な感覚を取り入れたアイディアを。そういった視点を持ちながら意見出しをさせていただきました。そうすることで、ファッショナブルでありながら、どんなファッション、どんなシーンでも使いやすいアイテムに近づけることができたと感じています。 インフルエンサーさんの意見の中には、実現が難しいこともいくつかあったと思うのですが、その中でも最大限に意見を取り入れてくださって、この商品につながったと思います。従来のダイアナ様の商品だったら黒色がないというのがありえないにもかかわらず、今回のような淡いカラーラインナップを採用していただいたのも、「もうちょっとつま先を伸ばして指の付け根まで見せたいです」というような細やかな要望を汲み取っていただいたのも、リアルな声を入れたコラボ商品に繋がったと思います。
- ――3人のインフルエンサーさんの熱量が高かったのが印象的でした。コミュニティ・キャスティンググループの小島はインフルエンサーさんとのコミュニケーション周りを担当。何を大切にコミュニケーションを取ったのか、教えてください。
- MERY/小島:同世代の編集部メンバーがいることで、リラックスしていただけるように和やかな会話を心掛けました。インフルエンサーさんも緊張されていて、初回のミーティング前日には「眠れなかった」という方もいらしたんです。ミーティングの日程連絡などの際に「前回はこういうふうに意見が盛り上がって、次の商品は理想に近い状態で上がってくると思うから」などと、前回を思い出せる内容を入れて、楽しみに来ていただけるようにしたり、当日のミーティング前にも会話を増やし、親近感を持っていただけるようにしたりしました。
- ――ミーティングの進行に関わったのはMERY編集部の坂本。ミーティングの雰囲気づくりでこだわった点を教えてください。
- MERY/坂本:インフルエンサーさんたちはおしゃれがお仕事なので、作る商品が難度が高すぎる部分が出てくるかと思うんですが、ダイアナ様のいいところのバランス感をうまく探れるようにMERYが間に入らせていただきました。ほぼ同世代の編集部が同席して、彼女たちの意見に賛同することで、インフルエンサーさんが意見を言いやすい雰囲気を作っていきました。 リアルなZ世代の声を入れるために、本人たちの意見を尊重するのが、一番のテーマだったと思っています。本人たちが納得しないと、売れるものも売れない。そこが反映できたので、実際の販売につながったのではないかと思っています。
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- ――今回ダイアナ様にはクイックに型を作っていただいたり、その場でデザインを描いていただいたりと、意見を取り入れた柔軟な進め方をしていただいたことが、熱量につながっていったのだと思います。ダイアナ様としては、黒がないカラーラインナップに驚かれたということでしたが、そのあたりはいかがでしたか。
- ダイアナ/小茂田様:商品開発スタッフも、皆さまとのコミュニケーションを楽しみながら、企画を進めていけたので、非常に良かったです。そして、こちらの固定概念をいい意味でひっくり返していただきました。ダイアナとしては、まず黒は絶対に作るカラーですから新鮮でした。代わりに濃い目のカラーで上がったのはブラウン。これも、今までの判断だと春夏では出さない。他のカラーで出しておいて、人気が出たら秋冬に新商品として出そうという判断をしがちなんです。そもそも、黒があるから、店頭で春夏にブラウンと黒が並ぶと重たいと考えてしまうんですね。 実際、黒なしで店頭に展開したわけですが、店舗スタッフに「お客様から『黒はありますか』って聞かれるの?」と聞くと、聞かれないと言う答えが返ってきました。もちろん黒があったらあったで販売はできたと思うんですが、並んだ時の雰囲気が全然違うので、そういった面で大変勉強になりました。 さらに「履きたいサンダル」を作るのが今回のテーマだったのですが、実際に声として挙がってきたのが、弊社では「バックベルトのオープンパンプス」と呼ぶ部類に入る商品でした。サンダルって言うと、どうしても真夏に履く指が出ているものという固定概念があった。でも、お客様からしたら、こういったものもサンダルで、真夏に近い時期まで履くんですよね。本当に暑い時期は、もっと露出の多いサンダルに切り替える。その切り替わりまでの商品のニーズが多い事を再確認させていただきました。
「スタッフに刺さるものは売れる」ターゲット層の購買率が高いヒット商品に!
- ――今回のコラボ施策を実施して良かったポイントをお聞かせください。
- ダイアナ/鈴木様:やはり内部の人間ではない別の視点からお話を聞けたのは大きかったです。ヒット商品になって、秋冬でも色違いで出させていただきました。また、店舗のZ世代スタッフも「私もこれ買いました!」と言っていることが多くて。ダイアナで働いているスタッフに刺さるものは売れるんですよ。自分も好きで履いている商品で思いを持って接客できるので、売上に反映されるんです。
- ダイアナ/小茂田様:お買い上げいただいている会員様の年齢区分を見ると、ターゲットの狙い通りに20代前半のお買い上げ率が高かったです。認知だけでなく狙った層の購入につながったのは大きな成果でした。
- MERY/奥松:フォロワーさんの中でダイアナの認知があった方でも、「今までダイアナって、高級で自分たちのものでないイメージがあった。だけど、このインフルエンサーさんがコラボしているなら1回見に行ってみようかな」という、ファーストステップにつながったと思います。 もちろん、さっきおっしゃっていたように、価格的には購入は難しい人も多いかもしれないですが、「次のお給料が入ったら買ってみたいな」とか、「来年、頑張ったら、ダイアナのシューズを買ってみよう」と思うきっかけになっていったらうれしいですね。
ダイアナから見るMERYの強みとは
「コラボがスムーズだったのはMERYの力」信頼を築くディレクション
- ――MERYの強みを感じた点や、特に評価をいただいている点がありましたら、お聞かせください。
- ダイアナ/鈴木様:今、SNSでのPR投稿がすごく増えており、モデルさんタレントさんに加えて、インフルエンサーさんの役割も大きくなってきていると感じています。しかし、企業にとっては、インフルエンサーさんとどういう風に繋がればいいのか、どういうテンションで話を進めていけばいいのかもわからないんですよね。MERYさんはインフルエンサーさんとのコネクションが強く、事前の細かいやり取りをしていただいたり、場を柔らかくしたりといった点を担っていただけて、大変助かりました。 インフルエンサーさんを通して若い世代へリーチしたい企業さんには、MERYさんはおすすめだと感じました。
- ダイアナ/小茂田様:今、思い返せば、初めてお仕事する内容としては、コラボレーションは非常に難易度の高い企画だったと思います。それがここまでスムーズに実施できたのは、MERYさんの力だったと思います。インフルエンサーさんのケアはもちろん、我々に寄り添っていただいたところも大きく、バランスをうまく取っていただきました。リアルで接点を持って、長く準備する施策では信頼関係がないと成功しないと思いますから、その点でMERYへの信頼感は大きかったですね。
▼SNSメディアタイアップ
ダイアナ株式会社
首都圏を中心に全国83店舗
婦人靴・ハンドバッグを中心としたオリジナルブランドの販売・商品企画、海外有名ブランド商品の輸入・販売
インタビュー: MERY木綿、文: 田中いつき